快的食生活



ヒトは食べなくては死んでしまう生き物です。「食」は命の基本です。ヒトとして自然な「食」というのはどんな食生活なのかを考えてみましょう。


ヒトは何でも食べる雑食文化を持っていますが、食性はほとんど植物食のゴリラやチンパンジーと同様に草食動物です。その証拠にヒトの32本ある歯のうち、肉専用の歯はたった4本だけです。ほかは野菜をかみ切る前歯と、穀類をすりつぶす臼歯で構成されています。ですからヒトはこの歯の組成と同じ7:1の割合で、野菜・穀類を中心にして7,肉類は1くらいの目安で食べていけばいいわけです。
日本食現在の日本の栄養学は、やむなく北方に行き、穀物が十分にとれない中で肉食を中心とせざるを得なかったヨーロッパの人々の指導を受けて明治以降に成立してきたものです。それは、日本古来の日本の風土に合った豊かで合理的な食生活を大きく変容させてきました。そしてさらに、敗戦後アメリカより脱脂粉乳や小麦粉が大量に日本に入ってきて、学校給食で使われるようになり、食生活がさらに欧米化され、伝統食が破壊されてきたのです。
これは、第2次大戦後、小麦の市場を日本に求めたアメリカの小麦戦略でした。パンに牛乳、肉類という欧米流の進んだ食生活が望ましいという考え方を、アメリカは日本の厚生省、栄養関係者を取り込んで国を挙げて普及させたのです。〔参考資料〜アメリカ小麦戦略・高島光雪著) その結果が、今の日本における生活習慣病や、悪性腫瘍、アレルギー疾患などの病気の氾濫です。
一方、当のアメリカでは、1987年に肥満と心臓病から脱却するために、厚生省と農務省から、「肉類脂肪砂糖をへらして、でんぷんと食物繊維をしっかりとるようにしよう」という通達が出され、それ以来日本食が見直されブームとなりました。世界で認められている日本の伝統食を、私たち自身も見直しましょう!


食生活」について私たちが勧めていること、注意すべきだと考えていること
 - 自分の住む土地でとれる食物を、季節に応じて丸ごといただきましょう!-


身土不二
暑い地方には体を冷やす食べ物が採れ、寒い地方には体を温める食べ物が採れるし、夏の野菜(きゅうり、とまと、なすなど)は体を冷やしてくれて、冬の野菜(大根、ニンジン、ごぼうなどの根菜類)は体を温めてくれます。その地方の気候で育つもの、旬のものが、そこに住む人々の体に合っているのです。
  
一物全体
食物を食べるとき、その命を丸ごと〔米ならなるべく未精白に近い形、大根・ニンジンなら皮も根も葉も、魚なら頭からしっぽまで)いただくようにする。その物自体で生きていくことのできる一個の生命体の状態での摂取というのは、ヒトにとって大切な炭水化物・脂肪・たんぱく質・ビタミン・ミネラルのかなりの部分がとれることになるし、バランスもとれているのです。
  
発酵食
天然自然の発酵食を工夫して食べるようにしましょう。自然に発酵したものは、微生物の力でビタミンやアミノ酸などのバランスが良くなり、うま味が増え、消化吸収がされやすくなります。世界各地の伝統食に、じつに工夫された発酵食がみられ、人々の健康管理に役立ってきました。〔ピクルス、キムチ、ぬか漬け、みそ、醤油、魚醤、ヨーグルトetc) 身土不二の考え方からしても、その土地で採れるものを使って長い歴史の中でつくられ親しまれてきた発酵食を日常の食事の中でとることが、自然な食べ方と言えるでしょう。





 

『緑のセルフ・ケア』

橋本俊彦・雅子 著
博進堂

シンプルな穀物菜食のレシピが、色つきのさし絵入りで紹介されています。

『未来食』
大谷ゆみこ著
メタ・ブレーン
現代の栄養学の常識を大きく変革する未来食がわかりやすくまとめられた本
『粗食のすすめ』
幕内秀夫 著
東洋経済
「栄養学」をくつがえし、「粗食」に秘められた健康の秘訣を、具体的に提示する書。

 

 

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